
ボン・クレーの献身的な行動が描かれた回想シーンです。ジンベエが、過去にボン・クレーが言っていたことを思い出すシーン。
無言のジンベエのコマの間にボン・クレーのセリフが入っています。
コマにグレーのトーンがかかり、吹き出しはフラッシュ、セリフのフォントも通常セリフより少し細いものを使用。
回想シーンを描く際、読者に「これは過去の出来事である」と伝えることが重要なんですね。作品ごとに表現は異なりますが、そのための基本的な表現方法をいくつか紹介します。
例えば下記は、クリスタの素材「横トーン」で、コマに白い横トーンを重ねて回想っぽくしたもの。
引用:回想用横線トーンオートアクション - CLIP STUDIO ASSETS
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これらの方法を組み合わせることで、より効果的な回想シーンを演出できます。
基本的な表現方法に加え、より高度な演出テクニックを使うことで、回想シーンの印象を強めることができます。
これらのテクニックを使いこなすことで、読者の感情を効果的に揺さぶる回想シーンを作り出せます。
回想シーンの色使いは、単にセピア調にするだけでなく、シーンの内容や感情に合わせて工夫することが大切です。
色使いを工夫することで、回想シーンの雰囲気や感情をより効果的に伝えることができます。
具体的な漫画作品で、回想シーンの導入を見てみましょう。
『ダンダダン』第1話では、主人公モモの幼少期の回想シーンをこのように表現しています。
ダンダダン 1より
それほど大げさな演出はないにも関わらず「これは過去の話をしている」ということがわかりますね。
という表現で、サラッと回想シーンを入れています。
話している人物と同じポーズで服だけ違う人物が出てくるという表現は、たまに見かけますね。
回想シーンでは、セリフや吹き出しの使い方も重要な要素です。効果的な使用方法をいくつか紹介します。
これらの技法を適切に使用することで、回想シーンの雰囲気をより効果的に演出できます。
回想シーンの効果を高めるには、構図とコマ割りにも工夫が必要です。以下に、効果的な方法をいくつか紹介します。
これらの技法を適切に組み合わせることで、読者の注目を集め、効果的な回想シーンを演出できます。
近年、スマートフォンの普及に伴い、縦スクロール漫画(Webtoon)が人気を集めています。縦スクロール漫画における回想シーンの描き方には、従来の紙媒体の漫画とは異なる特徴があります。
縦スクロール漫画の特性を活かすことで、より没入感のある回想シーンを演出できます。
縦スクロールマンガの演出方法について詳しく解説されています。
以上の技法を駆使することで、読者を引き込む魅力的な回想シーンを描くことができます。ただし、過度な演出は逆効果になる可能性もあるため、ストーリーの流れや全体のトーンに合わせて適切に使用することが大切です。また、これらの技法は単独で使用するよりも、複数を組み合わせることでより効果的な表現が可能になります。
最後に、回想シーンを描く際は、なぜその回想が必要なのか、ストーリーにどう貢献するのかを常に意識することが重要です。単なる過去の描写ではなく、現在の展開や登場人物の心情を深める役割を果たすべきです。読者の興味を引き、物語の理解を深める回想シーンを目指しましょう。